情けないその姿に、こっちが悲しくなってくる。
旦那「本当に申し訳ありませんでした」
私「形式だけで謝るなって言ってるよね?ない頭で考えてさ、なにに対してどうごめんなさいなのか、しっかり謝って?」
情けない姿に興ざめして、軽蔑の念すら覚えるわたしは旦那と視線を合わせて、顔を上げさせた。
逆に冷静になったわたしに不気味さを覚えたのか旦那の威勢は無くなり、恐怖の視線を向けてくる。
今思えばこの瞬間のわたしは完全にキレてしまっていたのだと思う。
さっきの瞬間まで一応旦那と言うカテゴリーに属していた人間が、ゴミや害虫と差異の無い存在になった瞬間だった。
そんな時、玄関から声がした。
玲子「ちょっと!大丈夫?!すごい泣き声……」
近所の仲の良いママさんの声だった。
恐らく、次男の泣き声やわたしたちの騒ぎを聞いて、駆けつけてきてくれたのだろう。
元々、ご近所同士もとても仲が良く、週末は集まってバーべキューをしたり、子どもたちはビニールプールで遊んだりと、恵まれた環境で暮らしていた。
確かに幸せだったのに、そんなことも出来なくなるのかと、また急に涙が出てくる。
感情がジェットコースターのように変わる。
玲子「ちょっと、どうしちゃったの?」
仲の良いママさんの玲子さんが、恐る恐る入ってくる。
そして「次男くん泣いてるじゃない!どこに居るの?」と言われて、ベビーベットのある部屋を指さすと、その部屋に行って次男を抱いてくれる。
玲子「二人ともどうしたの?珍しいじゃない、喧嘩なんて」
年上なだけあって優しく声を掛けてくれ、また涙が出てくる。
恥ずかしいやら、どうしていいのかわからずに、とりあえず旦那を指さす。
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